tab譜の話
tab譜の話書きます。
tabはtablatureっていう言葉の略らしいです。
定義としては「楽器固有の奏法を文字や数字で表示するもの」らしいので、三味線や琵琶や琴の楽譜もタブ譜になるっぽいです。
以前書いたコードダイアグラムが「コードを鳴らすために押さえる場所を図(ダイアグラム)で表したもの」だったのに対してタブ譜は「奏法を文字や数字で表したもの」という違いがあることをまずは抑えておきましょう。
つまりコードダイアグラムは「押さえる場所しか表示しない」のに対してタブ譜は「押さえる場所以外も表示する」ということになります。ここではコードダイアグラムやコードネームだけが書かれた楽譜のことを「コード譜」と呼ぶことにします。
ギターのタブ譜の場合は指板上の押さえる場所が数字で表示され、スライド奏法やプリング奏法などの奏法が文字で表されます。ギターの各種奏法については調べてみてください。
また、タブ譜に限らず「楽譜」は曲のタイムラインを表しているので、タブ譜上の数字や楽譜上の音符の位置はその音を発する(ギターの場合は弦を弾く、ピアノの場合は鍵を叩く)タイミングを示しています。
「楽譜」と「実際の演奏」の関係は「発注書」と「実際に生産された製品」の関係に似ていて、よく比喩に使われます。発注書の指示が詳しければ実際に生産される製品も希望のものに近くなる可能性は高くなりますが、まったく同じ製品は一つとして存在しないはずです。(哲学的な意味ではなく)
楽譜が表している情報は抽象的で、未実現で、不確定ですが、読み方のルールに従って正しく読めば誰が呼んでも同じ曲が(頭の中で)再生されるはずです。
一方実際の演奏は具体的で、実現していて、確定していますが、どんなに楽譜通り正確に演奏しても完全に同じ演奏は出来ないはずです。(聞こえ方まで含めるとなおさら)
コード譜だけだと、「そのコードをどの押さえ方で弾くか」とか「どんなストロークで弾くか」といった縛りがないのでどう弾けばいい感じなのかが分かりにくくなります。
コード譜だけでそんなかっこよく弾けんのかいっていう動画を持ってきました。
エモ
記事の最初にタブ譜付の動画を載せましたが、タブ譜にはどのタイミングで、どこを押さえて、どう演奏するか、といった情報が書かれているので、それを再現出来れば(ほぼ)同じ演奏ができるはずです。
ただ、タブ譜ばかりに頼って練習していると、どこを押さえればどの音が鳴るかが身に付かず、「タブ譜の通り弾けばなんとなく弾けた気になる」という現象が起きてしまい、応用が利かなくなってしまうので、自分で意識して何の音が鳴っているかを気にしながら練習するか、下の動画のような音譜付きのタブ譜を探して使うなどの工夫をした方がいいらしいです。
最後にギターでよくやる奏法を羅列しておきます。詳しいやり方は調べてみてください。
・スライド(弦を押さえたまま指を移動させる)
・プリング(押さえた指を離すときに弦を弾く)
・ハンマリング(ピッキングしないで指先で弦を叩いて音を出す)
・タッピング(ハンマリングを右手でやる)
・ブラッシング(ミュートした状態でストロークする)
・チョーキング
・ハーモニクス
おにいさんの話
こんばんは、山室です。
ちょっとだけMOTHERの話がしたかったので、書きます。
ネタバレを含む可能性があるので、今後プレイする予定がある人は注意して読んでください。
あと記憶を頼りに書いている部分があるので内容が正確でない恐れがあります。ご了承ください。
まずMOTHERってどういうゲームかというと、ファミリーコンピューターで1989年に発売されたいわゆるロールプレイングゲームで、主人公を操作して、仲間を集めてレベルを上げて戦うっていう今ではよくあるタイプのゲームです。
ちなみにドラゴンクエストの発売が1986年らしいのでドラクエの三年後の発売になります。
ストーリーとしては、ある日突然現れたUFOが怪電波を飛ばしてみんなの頭をおかしくしてしまったので、主人公がUFOをボコしに行くというのが話の大筋です。
ある日突然とは言いましたが、実際は数十年前に一度UFOが表れており、その時UFOさらわれて頭おかしくされたのが主人公のおじいちゃん夫婦だった、という奇妙な因縁があり、これが物語にいい具合に絡んできて面白いんですが、詳しいことは実際にプレイして確かめてください。
ちなみにMOTHERの主人公というと「ネス」を思い浮かべる人もいるかと思いますが、実はネスはMOTHER2の主人公で、MOTHERの主人公は「ニンテンくん」だそうです。
という感じでものすごくざっくりどういうゲームなのかを説明してみたのですが、このゲームのどこが面白いかというと、やはり「怪電波でおかしくなったみんな」が敵として登場するところだと思うんですよね。
マザーにはいわゆる「モンスター」みたいなものは基本的に出て来なくて、一部宇宙人(有名なスターマンなど)が出てくるのを除いて、カラスとか蛇とかの野生動物や、ブラブラ団を名乗るあたおか集団など、「身の回りの人や物」が敵として登場します。
そんな中でひと際異彩を放っているのが、私の大好きなキャラクターである「おにいさん」です。
おにいさんは元々ヒッピーのおにいさんという設定らしいので、そもそもまあまあやばいんですが、元々やばいおにいさんが電波にやられてもっとやばくなって襲い掛かってくるという「最悪」な展開に見舞われることになります。
しかもおにいさんが登場するのは主人公が自分の家から冒険に出て次の街に着くあたりなのですが、そこまでの道中では主にカラスとか蛇といった小動物がエンカウントするのでプレイしているこっちの心境としては
「あ~、そういう感じの敵なんだ~・・・」
みたいな感じになっています。
そんな感じで歩いている中、突然めちゃくちゃかっこいい音楽と共に表示されるメッセージが、
「おにいさんがおそいかかった!」
普通に怖い。
普通にぶん殴ってくるし、それまでのカラスや蛇とは比べ物にならないくらい強い。
それまでとは打って変わって「急に人」という衝撃。
こっちは小学生なのに髭はやしたお兄さんにボコボコにされるという恐怖。
無論、序盤の敵なので物語を進めてレベルを上げるとクソザコ敵にはなるのですが、最後まで「おにいさんにボコされる恐怖」を忘れることはありませんでした。
(物語の終盤になるとニンテンくんのオフェンスは鬼のように高くなるので、おにいさんと戦うと、おにいさんを一方的に、集団で、素手で、ワンパンで、オーバーキルすることが出来るようになります。)
なお、ゲーム中に登場する敵はみな「電波で正気を失った状態」なので、倒したときに表示されるメッセージは「おにいさんはわれにかえった!」です。
イカれたおにいさんをボコボコにして正気を取り戻させる絵面もめちゃくちゃ怖い。
おにいさんの登場によって世界の狂気度が急に鮮明になったと私は感じました。おにいさんのせいでMOTHERの世界にハマってしまったと言っても過言ではありません。
おにいさんの他にも個性的なキャラクターや独特な世界観が魅力のゲームですし、MOTHERのシステムがポケモンやUNDERTALEに影響を与えているという話もありますので、未プレイの方はぜひ一度触ってみてほしいです。
音楽も楽しいので、ゲームやサントラで聴いてみてください。
CAGEDシステムの続き
前回CAGEDシステムの概要をぐぱっと書きましたが、今回もその続きとしてちょろっと考えたことをまとめておこうと思います。
CAGEDシステムを使うと
・同じコードを違うフォームで弾ける
・違うコードを同じフォームで弾ける
・指板上の音の位置を覚えられる
というような話をしたと思います。
これを使えば一曲を同じフォームで弾き切ることは確かに可能ですが、例えばキーがEでEメジャーからD#メジャーに移動したいとなって全部Eフォームで弾きたいとなった場合、ルートが0フレットから11フレットまで移動することになってしまい、とっても大変です。
(EフォームでEMからD#Mに移動した時の押さえる場所)
こうならないようにするためにいろんなフォームで弾く必要があるんだね。っていう話を前回の最後にしたと思います。
そこで今回は各ポジションでどんなコードがどんなフォームで鳴らせるかを確認して、フォームチェンジの練習に役立ててみたいと思います。
まず、「ポジション」という言葉についてですが、前回から進歩はなく、一般的なポジションの定義はよく分かりません。
前回はCMを弾こうとしたときにCフォームになるポジションを1stポジション(またはCポジション)と書いていた気がするので今回もそれに従おうと思います。
CMを弾こうとしたときにCフォームになるのが1st、Aフォームになるのが2nd、Gフォームになるのが3rd、Eフォームになるのが4th、Dフォームになるのが5thととりあえず呼んでみます。他の教本やサイトで違う表現を使っていた場合は読み替えて使ってください。
(CAGEDシステムで見たR=Cの指板の図)
前回はこの図は出していなかったと思いますが、CAGEDシステムを使って指板を見るとこのように見えるということになるようです。
前回も書いたと思いますが、CAGEDシステムは0~13フレットまでの音の位置を整理するシステムで、ギターは構造上12フレットでオクターブするので、12フレットからはまたCフォームになり、循環します。理論上では24フレット以降も同じように続くはずですが、ハイポジションになるにつれてフレットの間隔が狭くなっていくので、これ以上のフレットがあるギターは変態ギターと呼ばれ、あまりメジャーではありません。
この図ではRの位置が分かりやすいように塗りつぶししてみました。塗りつぶされているRはすべてドの音の位置です。なので塗りつぶされているフレットを中心にM3、P5を鳴らせばどのRを使ってもCメジャーになります。
メジャーの三和音(トライアド)に必要な音(R、M3、P5)以外は薄くしていますが、それぞれの音の位置関係を整理していけばメジャースケールや他のスケールの音の位置も覚えられるという算段だそうです。
それぞれのフォームを抜き出してみます。
これも
これも
これも
これも
これも全部CMです。
薄黄色で色を付けたのはそれぞれのフォームが分かりやすくなるかと思って付けてみたのですが、どうでしょうか。
このCMを異なるフォームで実現させる位置のことをポジションという呼ぶことにしたいと思います。つまりCフォームでのCMを実現させる0フレット~3フレットの範囲を1stポジション、AフォームでのCMを実現させる2~6フレットを2ndポジションといった具合です。
いいかえるとポジションはフレットの範囲の事なので、できるだけポジションを移動せずに指の形を変えるだけで色々なコードが弾ければ腕が疲れないで済むはずです。例えば1stポジションだけで色々なコードが弾ければ疲れないし便利になると思います。よね?
ということで前置きが長くなりましたが、本題に入りたいと思います。
目的:それぞれのポジションで色々なコードを弾きたい場合、どのコードにどのフォームを使えばいいかを知る
方法:各ポジションにおけるそれぞれのコードのRの位置を探し、適当なフォームを当てはめる
留意点:ポジションには範囲の縛りがあるため、Rの位置が一致していても使えないフォームがあることを留意する
目的が色々なコードを弾くことなので、Rとなる音を色々用意しなければなりませんが、今回はKey=Cとし、探すRをCDEFGABにします。楽そうなので。
ものすごく今更ですが、Rはルートのことです。コードの根っこだからrootなんですね。ルーツって言葉がありますがこれも根っこのことですね。はい。
探し出したRに適当なフォームを当てはめるのですが、これをするためにはそれぞれのフォームでRがどこにあるかを予め知っておく必要がある気がしたのでまとめておきました。上の画像を見て確認してみてください。
CフォームではRが2弦と5弦にある、という風に見ます。何フレットにあるかという情報はそれほど重要ではないと思ったので省略しました。
それぞれのフォームでのRの位置が分かったということは、反対にRの位置が分かればどのフォームを使えばいいかが分かるということになると思います。1弦と6弦にルートがある場合は、上の表によるとGフォームかEフォームが使えるはずです。例えばFは1弦と6弦の1フレットにあるのでFMはGフォームかEフォームが使えるはずです。ただし、Gフォームを使ってメジャートライアドを弾こうとする場合、Rの前に3フレットないといけないので1stポジションではGフォームは使えません。なので1フレットをセーハしたEフォームになります。意味分かります?
フレットの位置の説明をするときに「前」とか「後ろ」とか書くことがあると思いますが、ヘッド側が「前」、ブリッジ側が「後ろ」という感覚で使っています。また、ブリッジ側に移動すると音が高くなるので押さえるフレットをブリッジ側に移動することを「上がる」、反対を「下がる」と表現すると思うので、もし今後出てきたらそういう意味だと思ってください。
実際にギターを触りながら確認してもらえばなんとなく分かると思いますので分かったかどうかは置いておいて、各ポジションごとのドレミの位置と各フォームごとのRの位置が分かればコードが弾けるはずなので当てはめてみましょう。
1stポジション(0~3フレット)上のドレミファソラシドの位置です。
1stポジションではCは2弦1フレットと5弦3フレットにあります。(それぞれ2-1、5-3と表記しています。)
Cメジャーを鳴らすのに必要な音はC、E、Gなので、これを実現できるフォームはCフォームです。
2弦と5弦にRがあるのでDフォームとAフォームも使えるはずですが、
メジャーの三和音を構成する音を確認するのを忘れていました。
こんな感じです。
続いてDM。
Rの位置は2弦3フレットと4弦0フレット。
そのまんまDフォームになります。
先ほどの表を見ると2弦にRがある場合、Cフォームも使えそうですが、Cフォームを使ってDMを弾こうとすると4フレット以降も使わなければならないので、ここでは使えません。飽くまでポジションの縛りがある上で考えてみます。
めんどくさいので中略します。
表の左の列がR音、真ん中がRの位置、右の列がフォームです。
1stポジションでそれぞれのコードを弾こうとするとCMはCフォーム、DMはDフォーム、EMはEフォーム、FMは1フレットをセーハしたEフォーム、AMはAフォーム、ということになります。
BMは2弦と5弦にBがあるのでCフォームかAフォームで弾けそうですが、0フレットから3フレットだと足りません。半音下げてCフォームで弾くことが出来ますが、4フレットまで使ってAフォームで弾くことになると思います。この場合、ポジション間をまたぐ形になります。
そういえばKey=CのメジャーのダイアトニックコードはCM、Dm、Em、FM、GM、Am、Bmなので、D・E・A・Bの時のM3を半音下げて弾けばなんとなく曲っぽくなると思います。その形を覚えてしまえばキーをずらしてもカポで対応できます。
めんどくさくなったのであとは表だけ置いておきます。間違ってるかも知れないので実際にやってみて確かめてください。間違ってたら教えてください。
2ndポジション(2~6フレット)
3rdポジション(4~8フレット)
4thポジション(7~10フレット)
5thポジション(9~13フレット)
全部まとめるとこんな感じになります。1stポジションはすでに確認しました。BMは2ndポジションとまたげばAフォームで弾けます。
2ndポジションではA、C、D、E、G、Aフォームを使えば全部のコードが弾けそうです。
3rdポジションではG、A、D、E、Gフォームを使えば全部のコードが弾けそうです。
4thポジションではE、G、A、C、Dフォームを使えば全部のコードが弾けそうです。
5thポジションではD、E、G、A、Cフォームを使えば全部のコードが弾けそうです。
表をよく見てみると、同じフレットの音をポジション間で共有しているのが見えます。
1stポジションのところで触れた5弦2フレットがまさにそうですね。よく見るとほとんどすべての音がポジション間をまたがっています。
それを踏まえて少し形を変えてみたのが下の表です。
1弦と6弦は同じ音なので6弦だけの表記にしました。
二つのポジションで一つの音を共有しているということは、二つのフォーム間で一つの音を共有しているということにもなるので下の表に表すことも出来ます。
CMを例にすると、5弦3フレットのCをRとしてコードを弾く場合、1stポジションのAフォームを使うことも出来るし、2ndポジションのGフォームを使うことも出来るということになります。
正直ここまでくると自分でもこれをどう使ったらいいのか分からなくなっているので実際にギターを触りながら考えてみてください。私も考えてみます。
なにはともあれそれぞれのポジションでどんなフォームを使えば各種のコードが鳴らせるか分かったのでとりあえずは良しとしたいと思います。
CAGEDシステムについて
CAGEDシステムって知ってますか?
あれ便利だなと思ったのでまとめておきます。
今回ももう知ってる人にとっては大して価値のない情報の詰め合わせなので、まだ知らない人や興味がある人は読んでみてください。
はじめに
まずはCAGEDって何かってところから説明しましょう。
「CAGED」というアルファベットはそれぞれコードの名前から来ています。
CはCメジャー、AはAメジャー、GはGメジャー、EはEメジャー、DはDメジャーです。
だからなんだって感じだと思いますけど、前回のカポの話を少し思い出してもらうとピンと来るかも知れないです。
前回のカポの記事では、
カポを付けると0フレットの位置が変わるので、同じ押さえ方でも実際に鳴っているコードが変わる
というような話をしました。
同じ押さえ方で違うコードが鳴る、ということは、違う押さえ方で同じコードが鳴らせるということになります。よね?
記事ではオープンチューニングでのDメジャーの押さえ方で違うコードが鳴っているという例を示しました。確かDメジャーの押さえ方でBbメジャーのコードが鳴っているという話だったと思います。
Dメジャーの押さえ方でDメジャーもBbメジャーも鳴らせるし、Bbメジャーの押さえ方でもDメジャーの押さえ方でもBbメジャーを鳴らせるということです。
ピンと来ましたかね。
オープンチューニングでのCメジャー、Aメジャー、Gメジャー、Eメジャー、Dメジャーってそれぞれ違う形してますよね。
Cメジャーの形、Aメジャーの形、Gメジャーの形・・・それぞれの形で同じコードも違うコードも鳴らせるということになります。
ここまでの話をまとめると、
C、A、G、E、D、それぞれの形で同じコードを鳴らすことも出来る(=一つのコードを五つの押さえ方で弾ける)し、
オープンチューニングのC、A、G、E、Dの形でC、A、G、E、D以外のコードを鳴らすことも出来る
ということになります。
ものすごく断片的ですが、おおざっぱに言うとこれがCAGEDシステムの基本的な考え方です。
これを拡張するとメジャーの三和音以外のコードの押さえ方も分かるし、指板上の音も覚えられるということらしいです。
更に言うと、「メジャーコードの押さえ方」には大抵の場合Rからオクターブ上のRまでの音の位置情報が含まれるので、五つのポジションでのスケールの弾き方も覚えられることになります。
具体的にどういうことか見てみましょう。
まず、Cメジャーから見てみましょう。
Cメジャーというとこの押さえ方を思い出すと思います。
(CMの押さえ方の例)
こういう押さえ方を表す図を「コードダイアグラム」と言いますが、これだと「押さえ方」の情報しかありません。
本当に必要なのは「どの音が鳴っているか」という情報です。
どの音が鳴ってるか示してみるとこうなります。
(「CMの押さえ方の例」の構成音の図)
C、E、Gが鳴っています。
CをルートとするとEは長三度、Gは完全五度です。
この「Cと、Cの長三度であるE、Cの完全五度であるGがなっている」という情報が加えられることで初めて、「この押さえ方によってCメジャーが鳴る」と言うことが出来ます。
ただしこの情報はギター弾きの間では常識のように扱われており、一種の約束事なのでわざわざ書かないでダイアグラム、つまり図だけでコードが示されます。
約束事というのは「ギターのレギュラーチューニング時にのみ成立する」という条件があることを意味します。
これ以外の複弦でフレットがある楽器(例えばウクレレやマンドリン、バンジョーなど)ではレギュラーチューニングがギターとは異なるので音の位置関係も異なります。つまり上のダイアグラムは何の意味もなしません。
メジャーの三和音がR、M3、P5の三つの音で構成されているということは音楽上の原理ですが、その三音が指板のどこに現れるかはギターの公理と言ってよいのでギターの特性を知っていないとうまく使えません。
音の位置関係を知っていないと「押さえ方」という情報しか読み取ることが出来ないので、私のようにUフレットのようなサイトがないと何も出来ない人間になってしまいます。
反対に、ある和音を構成する音が何かを知っていて、且つその楽器がどんなチューニングか分かっていればどんな楽器でも思うがままに弾けるということになるんでしょうね。知らんけども。
話を戻しますが、メジャーの三和音はこの三つで構成されているので、同じ押さえ方(位置関係)でルート音を変えれば違うメジャーコードが鳴るということになります。
前回の話と重なりますが、例えばカポを2フレットに付けて同じ押さえ方をすればDメジャーになるはずです。
また、メジャーの三和音は三つの構成音が鳴ってさえいればいいので、省略することも出来ます。
先ほど例に出したDメジャーコードをCメジャーの形で弾こうとするとします。通常の押さえ方だとカポを付けないと指が足りなくなりそうですが、省略すればカポなしでも弾けると思います。
(こうじゃなくて)
(こうでもいいの図)
Cメジャーの形で違うコードが鳴らせるということは分かったと思います。
次に違う形でCメジャーを鳴らすにはどうするか見てみましょう。
Cメジャーの構成音は何度も言っていますがC、E、Gの三音です。この三音が指板の上にどのように配置されているか見てみましょう。
C、E、GはCをルートにした時のR、M3、P5だということも何度も書いています。
つまりこの三音の位置が分かればあらゆるメジャーコードが弾けるはずです。(あらゆると言ってもC、C#、D、D#、E、F、F#、G、G#、A、A#、Bの12個ですが)
例えばRをCとした時、R、M3、P5の配置は以下の通りです。
(Cメジャーの構成音の図)
当然ですが上の図と配置は同じです。
ここに書かれている音を出来るだけ多くの弦で鳴らせたらコードの響きが厚くなりそうですよね。
というわけで鳴っている弦が多くて且つ4本の指で押さえられそうな形を探してみましょう。
(一つ目)
(二つ目)
(三つ目)
(四つ目)
(五つ目)
これらは全て上の「Cメジャーの構成音の図」から切り取ったので、これらの図の通り押さえればどの形でもCメジャーが鳴るはずです。
それぞれの図、見覚えありませんか?
見た目がすこし違うので見づらいかも知れませんが、それぞれC、A、G、E、Dの押さえ方になっています。
それぞれファーストポジション、セカンドポジションという風に呼ぶことがあるようなのですが、どちらかというと押さえるときの手の形(フォーム)に近いように思えますし、フォームとポジションはまた別のものだと思うので、ここではそれぞれCフォーム、Aフォームといった感じでフォームと呼ばせてください。
これら全てCメジャーの押さえ方ですが、フレットを見てみると、Cフォームが0~3フレット、Aフォームが3~5フレット、Gフォームが5~8フレット、Eフォームが8~10フレット、Dフォームが10~13フレットとなっていて、五つの形を覚えれば0~13フレットまでにあるR、M3、P5、をほぼすべて覚えたことになります。
ギターのチューニングは12フレットでオクターブするので、12フレット以降は0~12フレットと同じ形が続きます。
つまり「0~12フレットまでの音を覚える」=「12フレット以降の音を覚える」になるので、五つの形を覚えれば指板上のほぼ全てのR、M3、P5、を覚えたことになります。
(R=CとしたときのR、M3、P5の図)
ここにM7を加えればメジャーの四和音が弾けるようになりますが、M7はRの半音下なので1フレット下がればよいということになります。
(CM7の構成音の図)
これでメジャースケールに足りないのはM2とP4とM6だけになりましたが、M2はRの全音上、P4はM3の半音上、M6はP5の全音上と考えれば探すのも難しくないと思います。
(Cメジャースケールの構成音の図)
繰り返しになりますが、M3とかP5とかいうのは特定の音の名前ではなくRから数えた音の距離で、音の距離はフレットの数と一致します。(半音ズレる=1フレットズレる)
つまりRからみて相対的に決まるのでRがズレれば他の音も一緒にズレます。
ということは、CをRとしたこの形をとりあえず覚えてしまえば他の音をRにした時でも同じ押さえ方を使うことが出来るということです。
例えばGメジャーの他の押さえ方が知りたいとなった場合を考えてみましょう。
まずRの位置を探します。GはCから見た時のP5なので、上の図に見える6弦3フレットや4弦5フレットなどがGです。
(指板上のGの位置)
Rの位置を見つけたらそこに合わせてずらしていきます。
Cの場合は3弦5フレット、1・6弦8フレットがRになっているので「Cメジャーの構成音の図」の5フレット以降をコピーして0フレットに合わせてペーストすればGメジャーの構成音の位置が分かるはずです。
(5フレット以降のCメジャーの構成音の位置)
(Cメジャーの構成音から5フレット以降をずらしてコピペした図)
私の手持ちのギターを基に作った図なので22フレットまでしかありません。そのままコピーすると当然ながら音が足りません。
足りませんが先ほども書いた通り、12フレット以降は0フレットからの繰り返しになるのでコピーしてきて引き伸ばせばいいだけです。
(Gメジャーの構成音の位置)
これで22フレットまでにGメジャーの構成音がどう配置されているか分かりました。
Gメジャーにも先ほどのCメジャーと同じようにCAGEDの五つのフォームがあります。
(Cフォーム)
(Aフォーム)
(Gフォーム)
(Eフォーム)
(Dフォーム)
Gフォーム以降が12フレット以降を使った形になっていますが、先ほども書いた通り12フレット以降は0フレット以降と同じなので、以下の押さえ方と同じです。
(Gフォーム その2)
(Eフォーム その2)
(Dフォーム その2)
Gフォームが本当にGフォームになっているのが分かりますね~。
まとめの一歩手前
最初に書いた通り、あらゆるメジャーコードをCAGEDのフォームで押さえることが出来ます。つまりメジャーコードしかない曲であればCフォームだけで弾き切ることも出来ます。AフォームやGフォームも然りです。
Cフォームは5弦にRがある形ですが、これで一曲弾き切ろうとすると5弦だとBが14フレットにあるので指板の端から端までスライド移動することになります。移動が多くて大変だと思います。これを回避するためにフォームチェンジをする必要がある、ということだと思います。だから色んなフォームやフォームチェンジを練習しなきゃいけないんですね。
Uフレットの簡単コードはオープンコードが中心になっていますが、これはつまり0から大体3~4フレットくらいまでを使えば曲を弾ける、即ち移動を少なく出来るということになります。
「Fコードの壁」という言葉がありますが、Fコードの形を一切使わずに一曲弾き切ることも可能なはずです。
Fの壁が避けられない理由はいくつか考えられます。まずは左手の移動を少なくするにはCAGED全てのフォームを使わないとうまくいかないこと、セーハという技術は結局どこかで使うということ、なによりEフォームは6弦がRになるので使い勝手がいいということなどが挙げられると思います。
厄介ではありますがセーハが出来れば5フォーム×12音で60通りのメジャーコードが押さえられる、Eフォームだけは使えないという人でも他の4フォームが使えれば48通りの押さえ方が出来ることになるので十分でしょう。セーハしないで5・6弦をミュートする(または弾かない)方法もあるので問題ありません。
(省略したEフォームでのGメジャー)
(省略しないEフォームでのGメジャー)
まとめ
・ギターの特性として、同じフォームで異なるコードを鳴らすことも出来るし、異なるフォームで同じコードを鳴らすことも出来る
・ギターのコードフォームは凡そ五つに集約できる(CAGEDフォーム)
・五つのフォームの構成音を拡張して指板上の音やスケールの構成音などを算出できる(CAGEDシステム)
・複数のフォームを使ってポジションの移動を少なくすることが出来る
今回書いたことをまとめるとこんなところだと思います。
ここから違うコードを鳴らすくらいならそれほど難しくはないと思いますが、違うスケールを弾きたいとか、スケールの音を使ってソロを弾きたいとかになってくると更に多くの情報が必要になってくるので、ご自分で情報収集してみてください。
一応、メジャースケール以外のスケールやダイアトニックの話もいずれ私が知っている範囲でまとめてみようと思っているので、そのあたりの話題はもうしばらくお待ちください。
カポタストについて
こんにちは。山室です。
先日、スケールとダイアトニックコードについての記事を投稿しましたが、もしかしたら分かりづらい部分もあったかな?と思ったので、補足しようと思います。
特に補足した方がいいかな、と思った部分は転調の話です。
転調の話も、私自身詳しいわけではないので、Uフレットにおける「カポ」の意味について私の理解をまとめておきたいと思います。
Uフレットには「カポ」を変更する窓と「曲のキー」を変更する窓があり、「曲のキー」の方は有料のサービスとなっていますが、私はこの二つは同じ機能だと理解しています。
群青日和はKey=Ebの曲です。Uフレットを見てみると出鼻からキーのコードがバーンと鳴っています。これが音楽的にどうなのかは知りません。
カポの話に戻りますが、Uフレットを見てみると、「±0(原曲キー)」と書いています。これは「レギュラーチューニングでカポを付けずに原曲キーで弾こうとするとこういう押さえ方になりますよ。」というのを表示しているという意味です。
つまりこの通り弾けば原曲のキーで弾けるということです。
「-1(Capo 1)」はどういう意味かというと、「レギュラーチューニングでカポを1フレットに付けて原曲キーで弾こうとするとこういう押さえ方になりますよ」という意味です。
つまり1フレットにカポを付けてこの通り弾けば原曲のキーで弾けるということです。
「-3(Capo 3) ★簡単弾き」は「レギュラーチューニングでカポを3フレットに付けて原曲キーで弾こうとするとこういう押さえ方になりますよ(ちなみに開放弦が多くて押さえるのが比較的簡単です)」という意味です。
つまり3フレットにカポを付けてこの通り弾けば比較的簡単に原曲のキーで弾けるということです。
つまりどれを選んでもちゃんとカポを付ければ原曲キーで弾けるということです。
※ここまで読んで、最後のまとめを読んで理解出来たらここから下は見なくても大丈夫です。
原曲キー
実際のコードを見てみましょう。
群青日和はKey=Ebなので、Ebメジャースケールをまとめた図を用意しました。
(Ebメジャースケール)
(Ebメジャースケール(英語音名))
Rから順番にR、2、3、4、5、6、7、Rと弾けばEbから始まるドレミファソラシドになります。(意味不明)
Uフレットを見ると、群青日和の最初のコード進行は(Eb、G、Ab、G7、Cm、F、Fm、Bb)×2、Ebという感じです。
カポ「±0」の押さえ方で押さえている音はこんな感じです。
(「Ebメジャースケール」からコードを抜き出してきたもの)
キーとしてはR=Ebですが、それぞれのコードのルート音はオレンジで示した部分です。
英語音名だとこんな感じです。
(「Ebメジャースケール(英語音名)」からコードを抜き出してきたもの)
一つ目のコードの構成音はEb、G、Bbです。
カポ1
カポ「-1(Capo1)」のコードを見てみましょう。
カポ1は「なにも押さえなくても1フレットを全部押さえたのと同じ」状態になるので「フレットが全体的にブリッジ方向にズレた」と考えればいいです。
1フレットが0フレットになったという感じです。
(カポ1の図)
Uフレットの「カポ」を「Capo1」にしてみてください。
カポ1のコード名はD、F#、G、F#7、Bm、E、Eb、A、Dとなっていますが、実際に押さえている音はこうなっています。
(「カポ1の図」からコードを抜き出してきたもの)
(カポ1の図(英語音名))
(「カポ1の図(英語音名)」からコードを抜き出してきたもの)
一つ目のコードの構成音はEb、G、Bbです。
上のカポ0の時と同じ音を押さえているのが分かるでしょうか。
簡単コード
カポ3(簡単コード)も見てみましょう。
カポ3だと指板はこんな感じになります。
(カポ3の図)
Uフレット上で「カポ」を「簡単弾き」にしてみてください。
カポ3ではコード名がC、E、F、E7、Am、D、Dm、G、Cとなっています。
実際に押さえている音はこうなっています。
(カポ3の図からコードを抜き出してきたもの)
(カポ3の図(英語音名))
(カポ3の図(英語音名)からコードを抜き出してきたもの)
これも一つ目のコードの構成音はEb、G、Bbです。やはり同じ音が鳴っています。
原曲のキーのはずなのにコード名が違う理由
同じ音が鳴っているのにコードの名前がカポ1だとDになってカポ3だとCになるなんていうのは変な話です。
なぜこんなことになるかというと、「Uフレットではカポが付いていても、カポが付いていない状態でのコード名を表記しているから」です。
もう一度「Capo1」にしてみてください。
一つ目のコードはDになっていますが、先ほど見た通り実際に鳴っている音はEbです。
なぜEbの音が鳴っているかというと、カポタストを1フレットに付けているからです。
(カポ1状態 鳴っているのはEbメジャー)
カポタストを外して同じ押さえ方をするとどうなるでしょうか。
(カポ0の状態 鳴っているのはDメジャー)
開放弦が元に戻って半音下がります。
ルートがDになるのでこのコードはDメジャーです。
Uフレットではカポタストが付いている、付いていないに関わらず、
この押さえ方はDメジャーとして表記するということのようです。
ちなみにカポ3ではこうなります。
(カポ3状態 鳴っているのはFメジャー)
このことから何が言えるかというと、「カポ1の押さえ方を、カポを付けないで弾くと、半音下がったキーで弾いたことになる(=転調したことになる)」ということです。
今回の群青日和の場合、最初のコードがキーなので、カポ1だとKeyがDになっています。つまりカポを付けずに弾くとEb→Dで半音下に転調していることになります。ただし、カポを1フレットに付けた場合は変わらずKey=Ebです。(鳴っているのはEbメジャーなので)
同様にカポ2ではEb→Dbで一音、カポ3ではEb→Cで一音と半音下がったことになります。また同様にカポを2フレット、3フレットに付けた場合は変わらずKey=Ebです。
音は半音ずつ数えるので「カポ1」でカポを付けない場合は音が一つ分下がる(-1)、「カポ2」でカポを付けないと音が二つ分下がる(-2)となります。
反対に、「半音上げチューニング」や「1音上げチューニング」でチューニングを変えずに弾くと、それぞれ音が一つ分上がる(+1)、二つ分上がる(+2)ことになります。
更に言うと、Uフレット上のカポを「±0」にして、実際のギターでカポを1フレットにするとキーが半音上がることになります。
まとめると、
・Uフレットの「カポ」は指示通りにカポタストを付けたりチューニングを変えればどれを選んでも原曲キーで弾ける
・Uフレット上の「カポ」を変えずにカポを付けると上がる方向に転調し、チューニングを下げると下がる方向に転調する
・指示に反してカポタストを付けないと下がる方向で転調し、チューニングを変えないと上がる方向で転調したことになる
「カポ」と「曲のキー」が多分同じ機能だろうということがお分かり頂けたでしょうか。
Uフレットの「カポ」は「同じコードの違う押さえ方を表示する機能」と言ってもいいので、例えばUフレット上は「簡単弾き」にして実際には違う場所にカポを付けることで簡単な押さえ方のまま転調して弾く、といったことも出来ます。
「カポ2」が押さえやすいけど高くて声が出ない、という場合はカポを1フレットに付けてキーを半音下げてみたり、カポを外して一音下げてみることも出来ます。
前回もちらっと書きましたが、ギターは音が半音ずつ並んでいる楽器なので同じ押さえ方のままスライドさせて弾くことが出来ます。
これを上手く使うと歌いやすいキーで伴奏が弾けるようになると思います。(多分)
※今回例にした群青日和は最初のコードがキーでしたが、全ての曲がそうなっているわけではないので、注意が必要です。飽くまで「カポをずらすとキーもズレる」ということです。
最近ちょっと覚えた音楽のことメモースケールからダイアトニックまでー
こんにちは、山室です。
恥ずかしながら、私は音程がなんでメジャースケール(ドレミファソラシド)基準になってるのか前まではよく分かっていませんでした。なんならムカつくなとさえ思っていました。
なぜかって言うと、ピアノは白鍵を続けて弾けばCのメジャースケールになる(=目印がある)けどギターはそういうのがないので、いちいち場所を覚えなきゃならないことになるからです。
なんかずるいなって感じしませんか。ちょっとむかつきますよね。
もっと言うと、m3とかP5とかM7とかっていう音名も
「なんでオクターブの中には12個音があるのに8個にしようとするんだ?」
と思ってました。
あれはルートの音、2番目の音(マイナーとメジャー)、3番目の音(マイナーとメジャー)、4番目の音、5番目の音(♭と#がある)、6番目の音、7番目の音(マイナーとメジャー)、オクターブ(8番目の音)っていう分け方なんですけど、そんな風に分けられたところで
「ギターの指板の上では分からないんだから1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12とかでいいんじゃないの?」
と思っていました。
ただ、色々調べているうちにそうしてしまうとめちゃくちゃ分かりにくくなることが分かったのでその話を書いて行こうかと思います。
私と同じレベルかそれ以下の人の参考にはなるかも知れないですけどそれ以上の人にはなんの価値もないと思います。
めちゃくちゃ長いので興味がある人はじっくり読んでみてください。
もしかしたらピンと来てないかもしれないので一応書いておきますが、私が言っている12個の音っていうのはこういうことです。
1から12個音があって、オクターブになるってイメージです。
指板で数える上ではこっちの方が便利なんじゃないの?って本気で思ってました。
数字で書くとどうなるかって話
とりあえずKey=Cで色んな書き方を比較してみましょう。
まずはピアノから。
ドレミファソラシド。ドイツ音名とかイタリア音名とかありますけど、そいつらのことです。
数字だけを書く。見えづらいし覚えづらい。
習いに行ったピアノの先生が「ホラ!1、3、5、6、8、10、12よ!!なんで出来ないの!」とか言う人だったら速攻でやめます。
音名とか言うやつ。距離と機能が分かるようになっています。
M(メジャー)の音を弾けばメジャースケールになります。(mを弾けばマイナースケールになるって訳ではないです)
なんにせよピアノでCメジャースケールを弾こうとするときは白鍵弾けばいいので簡単そうですわ。
続いてギターの場合。これを指板だと思ってください。これが指板です。
より細かく言うと5弦の3フレットから15フレットまでの指板です。
ドレミファソラシドを弾きたいときはここを押さえればいいってことです。
数字だけを書いた状態。
ドレミファソラシド。あたまおかしなるて。
習いに行ったギターの先生が「ホラ!1、3、5、6、8、10、12!!なんで出来ないんだ!」とか言い出したら逃げ出してその足でラーメン食べて帰ります。
音名表記。
ドレミファソラシド。
2番目の音と3番目の音と4番目の音と5番目の音と6番目の音と7番目の音なんだな、ってことは分かりますが、まだそんなに分かりやすいような気はしてこないですね。
数字だけの表記よりはましかなって程度。
ただ、ギターの場合、この並びさえ覚えてしまえばどれだけ転調しても同じスケールが弾けるという強みがあります。
ピアノで転調するとどうなるのか見てみましょう。
これがKey=Cです。
例えばKey=C#でメジャースケールの構成音が白鍵とするとこうなります。
さっきと形が違う。
他の転調した例も書いてみます。
Key=F#
Key=A
こんなん全部覚えるとか頭おかしなりますよ。
ピアノが弾ける人はこれを指が覚えていて、考えなくても弾けるってことなのかと思うと、若干気持ち悪いとさえ思ってしまいます。悪口ではありません。畏怖の念です。
なんでこんなことになるのかと言うと原因は二つあって、まず一つ目は「メジャースケールってやつは全音全音半音全音全音全音半音っていう規則で音が並んでいる」っていうことと、それに対して「ピアノの鍵盤は均等に並んでいない」ってことが原因っぽいです。
一つ目の理由の方は、詳しくは知らないですけど、人間の聴覚とか、音響とか、周波数とか、うんたらかんたらが絡んできそうなので、どうしようもないんだと思います。
なんか気持ちいい音の並びを分析してみたらこういう並びだったっていう話なんだと思います。
二つ目の方も、ピアノの成り立ちとかから考える必要があるのかも知れないのでパスしますが、きっと元々ピアノはドレミファソラシドとその間の音を奏でる道具として作られたけど、他のスケールを弾こうとするとめちゃくちゃ不便だった、って感じなんじゃないかと思います。違ったらごめんなさい。
これを何とかしようとしたのがクロマチック配列とか言われる、アコーディオンとかに採用されてるキーボード配列です。全ての音が均等に並んでいる(半音ずつで並んでいる)ので転調しても同じポジションで弾けるということらしいです。同じ理由でルートが違っても同じ種類のコードであれば同じ手の形で弾けます。(これはギターも同じです。なぜなら半音ずつフレットがならんでいるから。)
「クロマチックキーボード」とか「クロマチック鍵盤」とか「ムトウ音楽メソッド」とかで調べるとどんなもんか見れると思います。
手軽な方法としては、アコーディオンシミュレーターみたいなアプリを入れると触ってみることが出来ます。
話が脱線しましたが、ギターの場合、転調するとどうなるか見てみましょう。
5弦3フレットから15フレットまでだと思ってください。
これはCをルートとした時のメジャースケール。
例えばDをルートにしたい場合
終わり。
5弦の5フレットから同じ間隔で弾けばDがルートのメジャースケールが弾けます。
どれだけ転調してもこれで済みます。つよい。
どれだけ転調しても同じという点については(分かりにくいという点を除けば)数字だけで表記するやり方でも同じなんですよね。(12進数の列が並んでるみたいなイメージ)
同じではあるんですが、数字だけの表記だと、ある音がコードやメロディーの中でどんな機能をしてるのかが分からないんですよね。
音名で書くと音の役割が分かるって話
コードで見てみましょう。
C=1と考えて、3フレットまで持ってきました。一番左の列は開放弦の音です。5弦の3フレットを押さえるとC(=1)が出ます。
1がCなので5はEで10はAで3はDで8はGで12はBです。もう訳わからん。
これでCメジャーだと思います。訳わからんね。
同じものを音名で書いてみます。
どれがなんの音か分かりやすくなったと思います。2弦と5弦がルートで1弦と4弦がM3度、3弦がP5度の音を出してます。
RとM3とP5が鳴っているからCメジャーなんだ、というのが分かりやすいです。
Rを半音下げるとM7になるので2弦を開放するとCM7になりますね。こういう情報も分かりやすくなるような気がします。
あと1~4弦で構成音を網羅してるので5、6弦は弾かなくてもいいですね。
ついでに言うと指の数に余裕があれば6弦の3フレットを押さえてもいいし、開放弦を鳴らしちゃっても音の響きは変わらないことが分かります。
(もっと指の数に余裕があるなら1弦の5フレットを押さえてもP5なので同じコードです。)
ということでここまでで、「音程が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12だとピアノでもギターでも演奏上便利じゃない」というより「M3とかの音名を覚えると演奏上めっちゃ便利だ」ってことが分かったと思います。私は便利だと思いました。
とりあえず覚えればいいやつ
さらに指板を広げてみます。
RとRの間には11個音があって、ルートから数えると13個目の音でオクターブになります。
つまり12フレット目が開放弦のオクターブになるということです。
ということで12フレットまでのギターを用意しました。一番左の列が開放弦で一番右の列が12フレットです。
レギュラーチューニングです。あたまおかしくなりそう。
頭おかしくなりそうだけどちゃんと12フレットで全部の弦がオクターブになってます。
つまり12フレット以降はこれと同じ音が並んでるはずなので、とりあえずこの並びを覚えればいいはず。あたまおかしなるて。
そこでさっきの音名とか言うやつを当てはめてみましょう。
多分よく使うキーを中心に覚えるのが良いんだろうと思いますが、とりあえずKey=Cで見て見ましょう。
こんな感じになります。まだあたまおかしなりそう。
あたまおかしなりそうですけど、これも全部覚える必要ないっぽいんですよね。
とりあえずはメジャースケールの構成音を覚えればいいっぽいので、ちょっと消します。
こんな感じになります。あたまなんとかなりそう。
文字や数字が書いてあるところはCメジャースケールの構成音なので、ピアノの白鍵と同じです。空欄は黒鍵だと考えればいいです。この順番に弾けばどのRから始めてもドレミファソラシドが弾けます。
Rをずらせば色んなキーのメジャースケールが弾けます。
メジャースケールの構成音を覚えればいいっぽい理由は二つほどあります。
まず一つ目は、「メジャースケールを覚えればトトロとか森のくまさんとかそこらへんの簡単なメロディーが弾ける(=簡単な曲なら弾ける)から」です。
音楽でいうメジャーって「明るい」って意味で使うらしいですけど、日本語では「有名な」って方が広く使われてますよね。メジャースケールが分かれば有名な曲はなんとなく弾けそうな気がします。
そして二つ目は、「メジャースケールを覚えればダイアトニックコードとやらが覚えられるから」です。
ダイアトニックコードって何かって言うと、私もちゃんと理解できた訳ではないんですけど、「メジャースケールの構成音から作られたコードの集まり」ってことらしいです。メジャースケールから作られているということはメジャースケールから外れた音が入ってこないので、メジャースケールで弾いたメロディと大抵の場合しっくりくる、ということらしいです。
言い替えると、「メジャースケールを覚えるとメジャースケールから作られたコードの集まりが覚えられるからメジャースケールのメロディに合わせて伴奏が弾ける」ということになります。
ダイアトニックコードの話
出てきてしまったのでダイアトニックコードについても書いておきます。
既に書いたように、ダイアトニックコードというのは「メジャースケールの構成音から作られたコードの集まり」のことです。
Cで言えばドレミファソラシドで構成されるコードの集まりということになります。
ただし、ドレミファソラシドから適当に取り出してコードを作ればいいという訳ではありません。
「一音飛ばして重ねる」という説明がされることが多いっぽいんですが、文字だけだと分かりにくいですよね。私は分かりませんでした。
メジャースケールの構成音はR、M2、M3、P4、P5、M6、M7です。
これを一音ずつ飛ばして重ねるので、
まずはR、M3、P5、M7
次にM2、P4、M6、R
次にM3、P5、M7、M2
次にP4、M6、R、M3
次にP5、M7、M2、P4
次にM6、R、M3、M5
次にM7、M2、P4、M6
と七つのコードが出来ます。こいつらがダイアトニックコードです。
それぞれⅠM7、Ⅱm7、Ⅲm7、ⅣM7、Ⅴ7、Ⅵm7、Ⅶm7-5というコードになります。
は?って感じですよね。
五線譜で説明してるページもありましたけど私には「は?」って感じでした。
アホなので。
こんがらがると思うのでダイアトニックの前にまず基本のコードの構成音を確認しましょう。
基本のコードの話
まず、三和音から。
三和音は三つの音から成る和音で、種類はメジャーとマイナーの二種類と伝え聞いています。
メジャーはR、M3、P5。C(シーメジャー)の場合はC、E、Gです。
マイナーはR、m3、P5。Cm(シーマイナー)の場合はC、D#、Gです。
続いて四和音。
三和音にもう一音加えると四和音になりますね。ここでは7度の音を考えます。
Cの三和音にM7を足すとCM7になりますね。構成音はR、M3、P5、M7でC、E、G、Bです。
Cにm7を加えるとC7ですね。構成音はR、M3、P5、m7でC、E、G、A#です。
CmにM7を加えるとCmM7になりますね。構成音はR、m3、P5、M7でC、D#、G、Bです。
Cmにm7を足すとCm7になります。構成音はR、m3、P5、m7でC、D#、G、A#です。
ついでに、Cm7のP5が半音下がるとCm7-5になります。
ということでC、Cm、CM7、C7、CmM7、Cm7、Cm7-5の構成音を確認しました。
表にしてみました。
CM7の列に薄くm3、♭5、m7と書いてみました。
3rdの音にはm3とM3の二つの選択肢がある中からCM7はM3を採用しているっていうイメージです。先ほど出てきた「マイナーの方の3度」とか「メジャーの方の3度」ってやつです。
5度、7度についても他のコードについても同じイメージでいいんだと思います。
3rdの音にはm3とM3があって、5thには♭5とP5があって、7thにはm7とM7があってどれを選ぶかでコードが変わるっていう感じです。
こうして見るとM7を使うコードは名前にもM7が入って、m7を使うコードには7だけ入っているというのも見えてきやすい気がします。
CM7とC7はCの三和音にそれぞれM7と(m)7を足しています。
CmM7とCm7も名前はややこしいけど、CmにM7を足すか(m)7を足すかというだけの違いだというのがよく見えます。
Cm7のP5を♭させるからCm7-5(Cマイナーセブンスフラットファイブ)というのもそのままの名前なんだなって感じしますよね?(圧)
ダイアトニックコードの作り方
コードの基本も分かったところで改めてダイアトニックコードの作り方を見てみましょう。
長~いメジャースケールに登場してもらいました。
後ろにまだまだずら~っと続いてるようなイメージです。
イメージし辛い人はマステでも持ってきて自分で作ってみてください。
まず、Rの下に一音飛ばしたM3以降をちょん切って持ってきます。
まだまだ長~いメジャースケールが続いてると思ってください。
次にM3の下にP5以降をちょん切ってくっつけます。
同様にP5の下にM7以降を持ってきます。
これで完成です。
見えずらいと思うのでカットします。
この一つ一つの塊がコードになっています。
R、M2、M3、P4、P5、M6、M7の音をそれぞれⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶの音と言うようです。
Key=Cとしたとき、ⅠがC、ⅡがD、ⅢがE、ⅣがF、ⅤがG、ⅥがA、ⅦがBです。
それぞれの音がルートの七つのコードが出来ました。これがダイアトニックコードです。
さっき確認した基本のコードと形が一緒になってますよね。
ⅠとⅣはⅠM7、ⅣM7の形になってます。つまりCM7とFM7です。
ⅡとⅢとⅥはそれぞれⅡm7、Ⅲm7、Ⅵm7の形。つまりDm7とEm7とAm7です。
ⅤはⅤ7の形。つまりG7。
ⅦはⅦm7-5の形です。Bm7-5。
これが分かればⅠM7、Ⅱm7、Ⅲm7、ⅣM7、Ⅴ7、Ⅵm7、Ⅶm7-5を暗記しようとしなくて済みそうな気がします。
Ⅱm7の構成音はM2、P4、M6、Rなので、M2から見るとP4はm3になるということになります。(意味不明)
確認してみましょう。
M2にRを合わせるとP4がm3、M6がP5、Rがm7になっています。
よってM2、P4、M6、Rの組み合わせはⅡm7、ということになります。
他のコードも同じになるはずです。
スケールって定規って意味ですけど、本当に定規なんだなって感じがしますね。
これが上手に使えると色んな事が出来そうな気がします。
私はまだ上手に使えないので気がするだけですが。
まとめ
コードの基本見たいなページを見ると大体最後に「自分でも色んなコードを作ってみましょう!」みたいな締めがあるんですけど、ダイアトニックコードは「並べてみたらこうなった」とか「こうなるように最初から出来てた」みたいな不思議な自然の法則みたいな感じがしていいですね。
しかもこれが弾ければなんとなく曲が弾けるなんてお得な感じがします。
繰り返しになりますが、ダイアトニックコードはメジャースケールの構成音から作ったコードなので下の図から音を拾えば全部のコードが弾けるはずです。
なのでこれを覚えてしまえばとりあえずCのメジャーのダイアトニックコードが弾けて、それをずらせば色んなキーに対応できそうな気がしてきますよね。
ということでスケールからダイアトニックまででした。
リバーサイド
こんにちは、山室です。
皆さん、住んでますか?
突然ですけど、マンションって色んな名前がありますよね。
「オーナーさんの名前から取ってるんだろうな~」みたいなのとか
「番地そのまんまなんだろうな~」みたのなのとか。
そんな中で、比較的よく見るような気がするマンション名が
「リバーサイド」。
近所にしかないのかと思って調べてみましたが、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡など各都市に一定数存在するようでした。
リバーサイドは文字通り「川辺」という意味なので川の近くであれば名前として全く不自然ではないですし、農耕中心の日本において人間の居住域であればどこかしらに川があるはずですので、リバーサイドという名前のマンションは全国どこにでもあっていいと思います。
どこにあってもおかしくない名前ですが、きっと中には
「え?ここでリバーサイド?」となるような立地のものもあるだろうと思います。
そういったものの中には
・かつて川辺だった場所
・オーナーが川辺だと判断して命名した
などが含まれているのだと思います。
つまり「時空間的に拡大した川辺」という概念が存在するということです。
これは地名の由来について考える際に重要な概念なのではないかと予想します。
例えば「札幌」という地名はアイヌ語の「sat poro pet(乾いた 大きな 川)」に由来しますが、現在の札幌市の地図を見ても市内を流れる大きな川は豊平川くらいです。
現在の地図でも札幌の北東に石狩川が流れているのに加えて、モエレ沼や茨戸川などの「蛇行した支流の形跡」を確認できますし、南の定山渓から現在の豊平川が石狩川に向かって流れている様子も確認できますので、札幌市の一帯に支流や三日月湖などが点在していたであろうことは想像できます。
古地図を確認したわけではないのでこの想像が絶対に正しいとは思いませんが、大きく外してもいないだろうと思います。
以上を踏まえれば札幌市は一帯が「かつて川だった地域」と推測することができ、「元はsat poro petであった」という説明が妥当性を持ちます。
ついでに言うと、札幌市はこういった地理的な歴史があり、地盤が緩い場所が多いので水害マップもあちこちに色がついてるということになります。
少なくとも現存する建造物に「リバーサイド」と名付けられていて近くに川が流れていないということは考えにくいような気はしますが、昭和に入ってから、戦後、平成になってからの造成で川が埋め立てられたものも考えられます。
「リバーサイド」という建物を見つけたときは、実際に川が近くにあるのか、あるなら距離や規模はどの程度か、過去に川が近くにあったなら地盤は安定しているかといったことを考える必要があると言えるでしょう。
同様に川が関連する地名や川にまつわる寺社仏閣、伝説、史跡がある地域については過去数百年に亘ってどのような地理だったかを確認するとよいと思います。
当初は「リバーサイドと命名することが許容される範囲」を検証しようと思っていたのですが、中途半端な防災記事になってしまいました。
定期的に防災マップを見て避難場所などを確認しておきましょう。