CAGEDシステムの続き
前回CAGEDシステムの概要をぐぱっと書きましたが、今回もその続きとしてちょろっと考えたことをまとめておこうと思います。
CAGEDシステムを使うと
・同じコードを違うフォームで弾ける
・違うコードを同じフォームで弾ける
・指板上の音の位置を覚えられる
というような話をしたと思います。
これを使えば一曲を同じフォームで弾き切ることは確かに可能ですが、例えばキーがEでEメジャーからD#メジャーに移動したいとなって全部Eフォームで弾きたいとなった場合、ルートが0フレットから11フレットまで移動することになってしまい、とっても大変です。
(EフォームでEMからD#Mに移動した時の押さえる場所)
こうならないようにするためにいろんなフォームで弾く必要があるんだね。っていう話を前回の最後にしたと思います。
そこで今回は各ポジションでどんなコードがどんなフォームで鳴らせるかを確認して、フォームチェンジの練習に役立ててみたいと思います。
まず、「ポジション」という言葉についてですが、前回から進歩はなく、一般的なポジションの定義はよく分かりません。
前回はCMを弾こうとしたときにCフォームになるポジションを1stポジション(またはCポジション)と書いていた気がするので今回もそれに従おうと思います。
CMを弾こうとしたときにCフォームになるのが1st、Aフォームになるのが2nd、Gフォームになるのが3rd、Eフォームになるのが4th、Dフォームになるのが5thととりあえず呼んでみます。他の教本やサイトで違う表現を使っていた場合は読み替えて使ってください。
(CAGEDシステムで見たR=Cの指板の図)
前回はこの図は出していなかったと思いますが、CAGEDシステムを使って指板を見るとこのように見えるということになるようです。
前回も書いたと思いますが、CAGEDシステムは0~13フレットまでの音の位置を整理するシステムで、ギターは構造上12フレットでオクターブするので、12フレットからはまたCフォームになり、循環します。理論上では24フレット以降も同じように続くはずですが、ハイポジションになるにつれてフレットの間隔が狭くなっていくので、これ以上のフレットがあるギターは変態ギターと呼ばれ、あまりメジャーではありません。
この図ではRの位置が分かりやすいように塗りつぶししてみました。塗りつぶされているRはすべてドの音の位置です。なので塗りつぶされているフレットを中心にM3、P5を鳴らせばどのRを使ってもCメジャーになります。
メジャーの三和音(トライアド)に必要な音(R、M3、P5)以外は薄くしていますが、それぞれの音の位置関係を整理していけばメジャースケールや他のスケールの音の位置も覚えられるという算段だそうです。
それぞれのフォームを抜き出してみます。
これも
これも
これも
これも
これも全部CMです。
薄黄色で色を付けたのはそれぞれのフォームが分かりやすくなるかと思って付けてみたのですが、どうでしょうか。
このCMを異なるフォームで実現させる位置のことをポジションという呼ぶことにしたいと思います。つまりCフォームでのCMを実現させる0フレット~3フレットの範囲を1stポジション、AフォームでのCMを実現させる2~6フレットを2ndポジションといった具合です。
いいかえるとポジションはフレットの範囲の事なので、できるだけポジションを移動せずに指の形を変えるだけで色々なコードが弾ければ腕が疲れないで済むはずです。例えば1stポジションだけで色々なコードが弾ければ疲れないし便利になると思います。よね?
ということで前置きが長くなりましたが、本題に入りたいと思います。
目的:それぞれのポジションで色々なコードを弾きたい場合、どのコードにどのフォームを使えばいいかを知る
方法:各ポジションにおけるそれぞれのコードのRの位置を探し、適当なフォームを当てはめる
留意点:ポジションには範囲の縛りがあるため、Rの位置が一致していても使えないフォームがあることを留意する
目的が色々なコードを弾くことなので、Rとなる音を色々用意しなければなりませんが、今回はKey=Cとし、探すRをCDEFGABにします。楽そうなので。
ものすごく今更ですが、Rはルートのことです。コードの根っこだからrootなんですね。ルーツって言葉がありますがこれも根っこのことですね。はい。
探し出したRに適当なフォームを当てはめるのですが、これをするためにはそれぞれのフォームでRがどこにあるかを予め知っておく必要がある気がしたのでまとめておきました。上の画像を見て確認してみてください。
CフォームではRが2弦と5弦にある、という風に見ます。何フレットにあるかという情報はそれほど重要ではないと思ったので省略しました。
それぞれのフォームでのRの位置が分かったということは、反対にRの位置が分かればどのフォームを使えばいいかが分かるということになると思います。1弦と6弦にルートがある場合は、上の表によるとGフォームかEフォームが使えるはずです。例えばFは1弦と6弦の1フレットにあるのでFMはGフォームかEフォームが使えるはずです。ただし、Gフォームを使ってメジャートライアドを弾こうとする場合、Rの前に3フレットないといけないので1stポジションではGフォームは使えません。なので1フレットをセーハしたEフォームになります。意味分かります?
フレットの位置の説明をするときに「前」とか「後ろ」とか書くことがあると思いますが、ヘッド側が「前」、ブリッジ側が「後ろ」という感覚で使っています。また、ブリッジ側に移動すると音が高くなるので押さえるフレットをブリッジ側に移動することを「上がる」、反対を「下がる」と表現すると思うので、もし今後出てきたらそういう意味だと思ってください。
実際にギターを触りながら確認してもらえばなんとなく分かると思いますので分かったかどうかは置いておいて、各ポジションごとのドレミの位置と各フォームごとのRの位置が分かればコードが弾けるはずなので当てはめてみましょう。
1stポジション(0~3フレット)上のドレミファソラシドの位置です。
1stポジションではCは2弦1フレットと5弦3フレットにあります。(それぞれ2-1、5-3と表記しています。)
Cメジャーを鳴らすのに必要な音はC、E、Gなので、これを実現できるフォームはCフォームです。
2弦と5弦にRがあるのでDフォームとAフォームも使えるはずですが、
メジャーの三和音を構成する音を確認するのを忘れていました。
こんな感じです。
続いてDM。
Rの位置は2弦3フレットと4弦0フレット。
そのまんまDフォームになります。
先ほどの表を見ると2弦にRがある場合、Cフォームも使えそうですが、Cフォームを使ってDMを弾こうとすると4フレット以降も使わなければならないので、ここでは使えません。飽くまでポジションの縛りがある上で考えてみます。
めんどくさいので中略します。
表の左の列がR音、真ん中がRの位置、右の列がフォームです。
1stポジションでそれぞれのコードを弾こうとするとCMはCフォーム、DMはDフォーム、EMはEフォーム、FMは1フレットをセーハしたEフォーム、AMはAフォーム、ということになります。
BMは2弦と5弦にBがあるのでCフォームかAフォームで弾けそうですが、0フレットから3フレットだと足りません。半音下げてCフォームで弾くことが出来ますが、4フレットまで使ってAフォームで弾くことになると思います。この場合、ポジション間をまたぐ形になります。
そういえばKey=CのメジャーのダイアトニックコードはCM、Dm、Em、FM、GM、Am、Bmなので、D・E・A・Bの時のM3を半音下げて弾けばなんとなく曲っぽくなると思います。その形を覚えてしまえばキーをずらしてもカポで対応できます。
めんどくさくなったのであとは表だけ置いておきます。間違ってるかも知れないので実際にやってみて確かめてください。間違ってたら教えてください。
2ndポジション(2~6フレット)
3rdポジション(4~8フレット)
4thポジション(7~10フレット)
5thポジション(9~13フレット)
全部まとめるとこんな感じになります。1stポジションはすでに確認しました。BMは2ndポジションとまたげばAフォームで弾けます。
2ndポジションではA、C、D、E、G、Aフォームを使えば全部のコードが弾けそうです。
3rdポジションではG、A、D、E、Gフォームを使えば全部のコードが弾けそうです。
4thポジションではE、G、A、C、Dフォームを使えば全部のコードが弾けそうです。
5thポジションではD、E、G、A、Cフォームを使えば全部のコードが弾けそうです。
表をよく見てみると、同じフレットの音をポジション間で共有しているのが見えます。
1stポジションのところで触れた5弦2フレットがまさにそうですね。よく見るとほとんどすべての音がポジション間をまたがっています。
それを踏まえて少し形を変えてみたのが下の表です。
1弦と6弦は同じ音なので6弦だけの表記にしました。
二つのポジションで一つの音を共有しているということは、二つのフォーム間で一つの音を共有しているということにもなるので下の表に表すことも出来ます。
CMを例にすると、5弦3フレットのCをRとしてコードを弾く場合、1stポジションのAフォームを使うことも出来るし、2ndポジションのGフォームを使うことも出来るということになります。
正直ここまでくると自分でもこれをどう使ったらいいのか分からなくなっているので実際にギターを触りながら考えてみてください。私も考えてみます。
なにはともあれそれぞれのポジションでどんなフォームを使えば各種のコードが鳴らせるか分かったのでとりあえずは良しとしたいと思います。