カポタストについて
こんにちは。山室です。
先日、スケールとダイアトニックコードについての記事を投稿しましたが、もしかしたら分かりづらい部分もあったかな?と思ったので、補足しようと思います。
特に補足した方がいいかな、と思った部分は転調の話です。
転調の話も、私自身詳しいわけではないので、Uフレットにおける「カポ」の意味について私の理解をまとめておきたいと思います。
Uフレットには「カポ」を変更する窓と「曲のキー」を変更する窓があり、「曲のキー」の方は有料のサービスとなっていますが、私はこの二つは同じ機能だと理解しています。
群青日和はKey=Ebの曲です。Uフレットを見てみると出鼻からキーのコードがバーンと鳴っています。これが音楽的にどうなのかは知りません。
カポの話に戻りますが、Uフレットを見てみると、「±0(原曲キー)」と書いています。これは「レギュラーチューニングでカポを付けずに原曲キーで弾こうとするとこういう押さえ方になりますよ。」というのを表示しているという意味です。
つまりこの通り弾けば原曲のキーで弾けるということです。
「-1(Capo 1)」はどういう意味かというと、「レギュラーチューニングでカポを1フレットに付けて原曲キーで弾こうとするとこういう押さえ方になりますよ」という意味です。
つまり1フレットにカポを付けてこの通り弾けば原曲のキーで弾けるということです。
「-3(Capo 3) ★簡単弾き」は「レギュラーチューニングでカポを3フレットに付けて原曲キーで弾こうとするとこういう押さえ方になりますよ(ちなみに開放弦が多くて押さえるのが比較的簡単です)」という意味です。
つまり3フレットにカポを付けてこの通り弾けば比較的簡単に原曲のキーで弾けるということです。
つまりどれを選んでもちゃんとカポを付ければ原曲キーで弾けるということです。
※ここまで読んで、最後のまとめを読んで理解出来たらここから下は見なくても大丈夫です。
原曲キー
実際のコードを見てみましょう。
群青日和はKey=Ebなので、Ebメジャースケールをまとめた図を用意しました。
(Ebメジャースケール)
(Ebメジャースケール(英語音名))
Rから順番にR、2、3、4、5、6、7、Rと弾けばEbから始まるドレミファソラシドになります。(意味不明)
Uフレットを見ると、群青日和の最初のコード進行は(Eb、G、Ab、G7、Cm、F、Fm、Bb)×2、Ebという感じです。
カポ「±0」の押さえ方で押さえている音はこんな感じです。
(「Ebメジャースケール」からコードを抜き出してきたもの)
キーとしてはR=Ebですが、それぞれのコードのルート音はオレンジで示した部分です。
英語音名だとこんな感じです。
(「Ebメジャースケール(英語音名)」からコードを抜き出してきたもの)
一つ目のコードの構成音はEb、G、Bbです。
カポ1
カポ「-1(Capo1)」のコードを見てみましょう。
カポ1は「なにも押さえなくても1フレットを全部押さえたのと同じ」状態になるので「フレットが全体的にブリッジ方向にズレた」と考えればいいです。
1フレットが0フレットになったという感じです。
(カポ1の図)
Uフレットの「カポ」を「Capo1」にしてみてください。
カポ1のコード名はD、F#、G、F#7、Bm、E、Eb、A、Dとなっていますが、実際に押さえている音はこうなっています。
(「カポ1の図」からコードを抜き出してきたもの)
(カポ1の図(英語音名))
(「カポ1の図(英語音名)」からコードを抜き出してきたもの)
一つ目のコードの構成音はEb、G、Bbです。
上のカポ0の時と同じ音を押さえているのが分かるでしょうか。
簡単コード
カポ3(簡単コード)も見てみましょう。
カポ3だと指板はこんな感じになります。
(カポ3の図)
Uフレット上で「カポ」を「簡単弾き」にしてみてください。
カポ3ではコード名がC、E、F、E7、Am、D、Dm、G、Cとなっています。
実際に押さえている音はこうなっています。
(カポ3の図からコードを抜き出してきたもの)
(カポ3の図(英語音名))
(カポ3の図(英語音名)からコードを抜き出してきたもの)
これも一つ目のコードの構成音はEb、G、Bbです。やはり同じ音が鳴っています。
原曲のキーのはずなのにコード名が違う理由
同じ音が鳴っているのにコードの名前がカポ1だとDになってカポ3だとCになるなんていうのは変な話です。
なぜこんなことになるかというと、「Uフレットではカポが付いていても、カポが付いていない状態でのコード名を表記しているから」です。
もう一度「Capo1」にしてみてください。
一つ目のコードはDになっていますが、先ほど見た通り実際に鳴っている音はEbです。
なぜEbの音が鳴っているかというと、カポタストを1フレットに付けているからです。
(カポ1状態 鳴っているのはEbメジャー)
カポタストを外して同じ押さえ方をするとどうなるでしょうか。
(カポ0の状態 鳴っているのはDメジャー)
開放弦が元に戻って半音下がります。
ルートがDになるのでこのコードはDメジャーです。
Uフレットではカポタストが付いている、付いていないに関わらず、
この押さえ方はDメジャーとして表記するということのようです。
ちなみにカポ3ではこうなります。
(カポ3状態 鳴っているのはFメジャー)
このことから何が言えるかというと、「カポ1の押さえ方を、カポを付けないで弾くと、半音下がったキーで弾いたことになる(=転調したことになる)」ということです。
今回の群青日和の場合、最初のコードがキーなので、カポ1だとKeyがDになっています。つまりカポを付けずに弾くとEb→Dで半音下に転調していることになります。ただし、カポを1フレットに付けた場合は変わらずKey=Ebです。(鳴っているのはEbメジャーなので)
同様にカポ2ではEb→Dbで一音、カポ3ではEb→Cで一音と半音下がったことになります。また同様にカポを2フレット、3フレットに付けた場合は変わらずKey=Ebです。
音は半音ずつ数えるので「カポ1」でカポを付けない場合は音が一つ分下がる(-1)、「カポ2」でカポを付けないと音が二つ分下がる(-2)となります。
反対に、「半音上げチューニング」や「1音上げチューニング」でチューニングを変えずに弾くと、それぞれ音が一つ分上がる(+1)、二つ分上がる(+2)ことになります。
更に言うと、Uフレット上のカポを「±0」にして、実際のギターでカポを1フレットにするとキーが半音上がることになります。
まとめると、
・Uフレットの「カポ」は指示通りにカポタストを付けたりチューニングを変えればどれを選んでも原曲キーで弾ける
・Uフレット上の「カポ」を変えずにカポを付けると上がる方向に転調し、チューニングを下げると下がる方向に転調する
・指示に反してカポタストを付けないと下がる方向で転調し、チューニングを変えないと上がる方向で転調したことになる
「カポ」と「曲のキー」が多分同じ機能だろうということがお分かり頂けたでしょうか。
Uフレットの「カポ」は「同じコードの違う押さえ方を表示する機能」と言ってもいいので、例えばUフレット上は「簡単弾き」にして実際には違う場所にカポを付けることで簡単な押さえ方のまま転調して弾く、といったことも出来ます。
「カポ2」が押さえやすいけど高くて声が出ない、という場合はカポを1フレットに付けてキーを半音下げてみたり、カポを外して一音下げてみることも出来ます。
前回もちらっと書きましたが、ギターは音が半音ずつ並んでいる楽器なので同じ押さえ方のままスライドさせて弾くことが出来ます。
これを上手く使うと歌いやすいキーで伴奏が弾けるようになると思います。(多分)
※今回例にした群青日和は最初のコードがキーでしたが、全ての曲がそうなっているわけではないので、注意が必要です。飽くまで「カポをずらすとキーもズレる」ということです。