山室のフェイクニュース

酩酊状態で書いてるので自分でもよく分かってません。

事情を慮ってもらう表現について

山室です。

最近、唐突にエスペラントでも勉強してみようかと思ってWikipediaの文法解説なんかを読んでみています。

 エスペラントにはBaza Radikaro Oficiala(通称BRO)という基礎語彙集があり、1から9段階に分けて基本的な語彙が集められています。1が最も基本的な語彙で、数字が大きくなっていくにつれて具体的な語彙になっていきます。
BROはwikitionaryで見ることが出来るのですが、この中に「盲」「聾」「唖」を意味する語彙が含まれています。

 恥ずかしいことに私は英語でさえも「盲」を意味する"blind"しか知りませんでした。「聾」「唖」はそれぞれ"deaf"、"mute"というのをついさっき知りました。

deafってどっかで見たなと思ったらDead SoundさんというYouTuberが昨年公開した”Being Pretty”というアニメの中で使われていました。

youtu.be

個人的にこういう世界観のアニメーションは好きです。色がない世界というのも色弱の私には優しい。

素晴らしいアニメの話は置いておいて、「見えない」「聞こえない」「喋れない」というのは外見からすぐに分かることではないので「事情を慮ってもらう表現」が必要になるだろうと思います。
怪我をして杖をついて歩いていたりすると周りの人は「手を貸した方がいいかな」とか色々考えると思います。
何らかの事情があって何かが「出来ない」とき、事情がある人が勇気を出してそのことを表明しなければならないのが現状だと思いますが、その表明を理解してあげることが出来なかったらめちゃくちゃ失礼だしもったいないですよね。 

そこで今回は主要な各言語で「盲」「聾」「唖」をなんと言うのかをまとめてみたいと思います。

 今回調査にはGoogle先生の翻訳機能を使わせてもらいます。こんなブログ記事の為にわざわざ辞書を開いたりするのはめんどくさすぎるので。

 
中国語 瞎的(Xiā de) 聋(Lóng) 沉默的(Chénmò de)
スペイン語 Ciego Sordo Silencio
英語 blind deaf mute
アラビア語 أعمى(aemaa') اطرش(aitrash) صامت(samat)
ヒンディー語 अंधा(andha) बहरा(bahara) मूक(mook)
ベンガル語 অন্ধ(Andha) বধির(Badhira) নিঃশব্দ করুন
(Niḥśabda karuna)
ポルトガル語 Cego Surdo Mudo
ロシア語 Слепой(Slepoy) Глухой(Glukhoy) Немой(Nemoy)
日本語 盲(Mekura) 聾(Tsunbo) 唖(Oshi)
ジャワ語 Buta Budheg Bisu
トルコ語 Kör Sağır Sessiz
朝鮮語 맹(maeng) 농(nong) 벙어리(beong-eoli)
フランス語 Aveugle Sourd Muet
ドイツ語 Blind Taub Stumm
イタリア語 Blind Sordo Muto
インドネシア語 Buta Tuli Bisu
オランダ語 Blind Doof Dempen
ギリシア Τυφλός(Tyflós) Κουφός(Koufós) Βουβός(Vouvós)
スワヒリ語 Vipofu Viziwi Nyamazisha
タイ語 ตาบอด(Tābxd) หูหนวก(H̄ū h̄nwk) ปิดเสียง(Pid s̄eīyng)
ネパール語 अन्धा(Andhā) बहिरो(Bahirō) म्यूट गर्नुहोस्
(Myūṭa garnuhōs)
ハワイ語 Makapō Pipi Hāmau
ベトナム語 Điếc Tắt tiếng
ミャンマー語 မျက်စိကန်းသေ
(myethci kaann saw)
နားပင်းသေ
(narr painn saw)
အသံတိတ်
(aasantate)
モンゴル語 Сохор(Sokhor) Дүлий(Dülii) Дуугүй(Duugüi)
ラテン語 caecus Surdi muta

 上の表はWikipediaの「普段話されている言語の人口順位(上位15言語)」にいくつかヨーロッパやアジアの言語を加えてみたものです。ラフンダー語はGoogle先生もカバーしてなかったので入ってません。パキスタンなどで使われているそうです。
表に入れ忘れてましたが、エスペラントでは"blinda", "surda", "muta"と言います。イタリア語と大体同じですね。 

この形だとなかなか見えずらいですが、それぞれの語彙についてザックリグループを分けられそうです。


blind系:イタリア語、オランダ語、ドイツ語、英語、エスペラント
ciego系:ラテン語ポルトガル語スペイン語
andha系:ヒンディー語ネパール語ベンガル語 


deaf系:英語、オランダ語、ドイツ語
sord系:ラテン語ポルトガル語、イタリア語、スペイン語、フランス語、エスペラント
bahara系:ヒンディー語ネパール語ベンガル語 


mute系ラテン語ポルトガル語、イタリア語、フランス語、英語、ヒンディー語ネパール語エスペラント

「聾」のグループを見るとラテン語系、ゲルマン語系、ヒンディー語系で別れてますね。
「盲」ではラテン語系列のイタリア語とエスペラントがドイツ語に浮気してますね。 

綺麗に分かれてるのかと思ったら「唖」はひとまとまりになっていますね。ヒンディー語の”mook”をmute系と言っていいのか一瞬迷いましたが、ネパール語には”Myūṭa”が入っているし、「有声両唇鼻音」+「長音」+「無声破裂音」の組み合わせという意味では類似性があると言えそうな気がしてきたので同じグループに入れました。 

何はともあれこんなにバリエーションがあったら英語が拙い旅行者に「I...am... बहिरो...」とか言われても事情を汲んであげることは出来ないですね。思惑はかなり大きく外れました。

 そんなこともあろうともう一つ伝わったらうれしい言葉を調べてきました。

アレルギー

これ伝わったらうれしいですよね。だって食べれないもん。

今後コロナが収まってから海外旅行に行った先での食事とか、外国から旅行に来た人と食事に行く時なんかに覚えておくと便利かもしれません。

インドネシア語 Alergi
ジャワ語 Alergi
スペイン語 Alergias
ポルトガル語 Alergias
トルコ語 alerjiler
イタリア語 Allergie
オランダ語 allergieën
ドイツ語 Allergien
フランス語 Allergies
ラテン語 allergies
英語 Allergies
日本語 アレルギー
ギリシア Αλλεργίες(Allergíes)
ロシア語 Аллергии(Allergii)
アラビア語 الحساسية(alhasasia)
ヒンディー語 एलर्जी(elarjee)
ネパール語 एलर्जी(Ēlarjī)
ベンガル語 এলার্জি(Ēlārji)
朝鮮語 알레르기(alleleugi)
ベトナム語 Dị ứng
スワヒリ語 Mishipa
ハワイ語 Nā Pāhoihoi
ミャンマー語 ဓာတ်မတည်(dharat m tai)
タイ語 โรคภูมิแพ้(Rokh p̣hūmiphæ̂)
モンゴル語 Харшил(Kharshil)
中国語 过敏(Guòmǐn)

 明治期に日本語にドイツ語由来の医学用語が大量輸入したみたいなノリで「アレルギー」って言葉も各国に輸入されて定着してるんですかね。ほとんど同じです。

「アレルギー」は日本語の訛りみたいなもんなので外国の方が「アラジー」的なことを言っていたらアレルギーと思っていいでしょう。
メニューを見ながら「アラジー」って言ったり、出された料理の具材を指さして「アラジー」って言ってたら代わりに食べてあげてください。

ベトナム語スワヒリ語ハワイ語ミャンマー語タイ語モンゴル語、中国語話者の方は母語でアレルギーを叫んでも伝わらないので諦めてください。

日本の田舎の方に行くと名産品を無理やり食べさせるという文化がありますが、アレルギーのあるものを食べさせられそうになったら前もって自分で救急車を呼んでおいてください。
それか「アレルギー」って言葉だけでも覚えて来日してください。

 

それにしてもGoogleで日本語に翻訳したら「メ〇ラ」「ツ〇ボ」「お〇し」って今なら伏字にしないといけないようなガチガチの差別語が出てくるのちょっとマズいですよね。

"blind", "deaf", "mute"がガチガチの差別語として使われて排除の対象になっている世界を覗いてみたい方はDead Soundさんの”Being Pretty”を見てみてください。

youtu.be

※お金はもらってません